4K記録と豊かな映像表現を可能にする基本性能
新開発の有効画素数約885万画素・スーパー35mm相当のCMOSセンサーと、高い演算処理能力を持つ新開発の映像処理プラットフォーム「デュアル DIGIC DV 5」により、4Kの高解像・高画質な映像記録が可能です。これに加え、従来機種よりさらに広いダイナミックレンジを実現する、キヤノン独自のガンマ「Canon Log 2」や、新しいビデオフォーマット“XF-AVC”を採用することにより、白とび・黒つぶれにより両立が難しかった、明るい窓の外の風景と暗い屋内の様子などのシーンもディテールを残した状態で撮影できます。
さまざまな撮影スタイルに適応する充実したフォーカス機能
デュアルピクセル CMOS AF技術により、EFレンズ※1での撮影時、撮像画面の縦横それぞれ約80%の広い測距エリア内の被写体に、自動でピントを合わせ続けるコンティニュアスAFが可能です。さらに、コンティニュアスAFを行いながら顔検出 AFも可能になるなど、充実したAF機能を搭載しています。これにより、映像の解像度が高いため細かなピント合わせが難しい4Kでの撮影時にも、撮影スタイルに合わせて素早いフォーカス調整が可能になります。
“XF-AVC”の採用などにより快適なワークフローを実現
キヤノンの新しいビデオフォーマット“XF-AVC”に対応しているため、画質を維持しながら高い圧縮率で 4K・2K・フル HD の映像を CFast 2.0 カード・SDカードに記録できます。これにより、撮影から編集まで、4K映像制作のワークフロー全体における快適な作業をサポートします。
新4K映像システムが生み出す高画質
4K対応スーパー35mm相当CMOSセンサー
有効約885万画素(4096×2160)、スーパー35mm相当のCMOSセンサーを自社開発。4K(DCI)/QFHD、2K(DCI)/FHD映像を撮影可能。さらなるS/N比の向上、信号読み出しの高速化により、高品位な映像記録を実現します。
新映像プラットフォーム、デュアルDIGIC DV 5
高い演算処理能力を持つ新開発の映像処理プラットフォームDIGIC DV 5を2基搭載。4K Intra Frameに対応する高速処理や多様な撮影機能を実現し、ハイエンドな映像制作のニーズに応えます。
高画質な新ビデオフォーマットXF-AVC
高画質な動画を効率的に記録することができる新しいビデオフォーマット、XF-AVCを採用。現在主流のH.264を採用しつつ、制作目的に合わせて圧縮方法や圧縮率、ビットレートを最適化。高画質と扱いやすさを両立させ、汎用性に優れます。
記録可能な動画データ
広色域対応
色域はITU-R BT.709とDCI-P3に加え、4K放送規格であるITU-R BT.2020に対応。また可視領域をほぼ100%カバーする、キヤノン独自のCinema Gamut※も選択可能です。
- ※Cinema Gamut:可視域のほぼ100%をカバーするキヤノン独自の色域。色相も独自のものであるため、変換ツールが必要となります。
ISO160-102400の広感度
CMOSセンサーの画素構造を進化させることで、ISO160の感度設定を実現。日中でも深度の浅いボケ味を活かした映像表現が可能になり、大判センサーならではの画づくりを楽しめます。さらに、最大ISO102400(Gain 54dB)の超高感度に対応。肉眼でも被写体の確認すら困難な暗い環境でも撮影を可能としました。
オーバーサンプリングHDプロセッシング
EOS C500と同等の高画質・信号処理システムを採用。4Kの豊かな映像表現力を有効活用することで、FHD記録においても高画質を実現します。
20-600%のスロー&ファーストモーション
スロー&ファーストモーション記録では最高60倍速(59.94p設定時)、最低1/2.5倍速(23.98p設定時)の撮影が可能です。さらに2K/HDクロップ時※は最低1/5倍速(23.98p設定時)の撮影が可能です。
- ※4K エリア内の中央の2K 領域を切り出して記録するため、画像の大きさが約2倍になります。
多様なワークフローに対応する映像記録
4K内部記録/CFastダブルスロット
キヤノンが新たに開発したビデオフォーマット、XF-AVCを採用。4K撮影時はXF-AVC Intraで29.97p(最大410Mbps)、2K撮影時はXF-AVC Intraで29.97p(最大225Mbps)、XF-AVC Long GOPで59.94p(最大50Mbps)をMXFに格納して2枚のCFast 2.0カードに記録できます。またオフライン編集用のProxyを作成し、SDメモリーカードに同時記録することも可能です。さらに2KおよびFHDは、より扱いやすいLong GOPも選択できます。
4K RAW出力
EOS C500と同様の4K RAWを出力(29.97pまで)、3G-SDI端子を介して外部レコーダーに記録できます。
階調再現性を高めたCanon Log
EOS C500と同様にディテール再現に優れた10bit/12bit Canon Logを採用。8bitが256階調なのに比べ、10bitでは1024階調、12bitでは4096階調(理論値)のデータを記録できるため、よりノイズが少なく繊細な暗部の表現が可能になりました。
1600%の再現域を持つCanon Log2
Canon Logに対してダイナミックレンジを広げるとともに、明部の階調の割り当てを減らし、暗部の階調の割り当てを増やすことで、Log空間の広い領域で均等な出力を得られます。ダイナミックレンジは、ISO100~800選択時で200~1600%と変化し、ISO800※以上で1600%(15 STOP相当)を実現。広い領域に明部から暗部まで均等なデータを残しているため、後処理が行いやすく、柔軟なカラーグレーディングが可能です。
ワイドDR
高輝度部をなめらかに圧縮し、800%の広いダイナミックレンジを実現。ガンマカーブとの連続性を維持した、なめらかな階調と白とびを抑えた撮影が可能です。ポスト処理を必要とせず、撮影したままのデータを使用できる一方、800%のダイナミックレンジがあるため、カラーグレーディングにも対応します。
ピクチャーセッティング
新しいガンマカーブのWide DR(FLAT)Gammaの追加や、他の機種との画合わせがしやすいColor Matrixの搭載などピクチャーセッティングを刷新。自在な画作り、画合わせをアシストします。
シビアなピント合わせをカメラがアシスト
デュアルピクセルCMOS AF
撮像面位相差AFを行うデュアルピクセルCMOS AFを採用。EFレンズ使用時、画面の縦横とも約80%の広い範囲で高速のONE-SHOT AF、コンティニュアスAFが行えます。AF枠はジョイスティックで移動が可能です。
顔認識AF
EOS C300 Mark IIのデュアルピクセルCMOS AFは、顔検出AFにも対応。静音でスムーズなフォーカシングが可能なSTMレンズとの組み合せで、インタビュー映像などのワンマン撮影ニーズに応えます。
AFチューニング用メニュー
レンズ駆動速度を10段階で設定可能。また、被写体追従特性も7段階で調整でき、動きの急変や被写体ヌケ、障害物などに対するAF応答性を最適化できます。
AF速度変更に対応するレンズ <2015年4月現在>
- EF24mm F2.8 IS USM
- EF28mm F2.8 IS USM
- EF35mm F2 IS USM
- EF40mm F2.8 STM
- EF100mm F2.8L マクロ IS USM
- EF300mm F2.8L IS II USM
- EF400mm F2.8L IS II USM
- EF500mm F4L IS II USM
- EF600mm F4L IS II USM
- EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM
- EF16-35mm F4L IS USM
- EF24-70mm F2.8L II USM
- EF24-70mm F4L IS USM
- EF70-200mm F2.8L IS II USM
- EF70-300mm F4-5.6L IS USM
- EF200-400mm F4L IS USM Ext 1.4×
- EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM
- EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM
- EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM
- EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM
- EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
新AFモード「AF-Boosted MF」
EFレンズ使用時、被写体が測距可能な距離にあるときはコンティニュアスAFを実行。測距できないときはレンズ駆動を停止し、マニュアルフォーカスに委ねます。ハンチングによる不自然な映像のふわつき防止に有効です。
デュアルピクセルフォーカスガイド
EFレンズでのマニュアルフォーカス時、測距情報とレンズの距離情報を利用したデュアルピクセルフォーカスガイドを表示。前ピン、後ピンがひと目で把握でき、スムーズで厳密なピント合わせが行えます。
ワイヤレスフォーカス対応
EFレンズを使用してクレーン撮影や空撮を行う際、タブレット端末などを使用してWebブラウザーからカメラを遠隔操作できるBrowser Remote※でもフォーカス操作が可能です。
- ※Browser Remoteを行うには、WFT-E6B(別売)が必要です。
業務用途にふさわしい信頼性と使いやすさ
小型・軽量・モバイルコアデザイン
EOS C300の流れを継承するモバイルコアデザイン。撮影ニーズに合わせてユニットやグリップなどの組み合わせを柔軟に変えることができます。また、大人数の映像制作スタイルからワンマン撮影まで、制作目的に合わせてシステムを組むことが可能です。 アクセサリーもほとんど装着可能で、思いのままのシステムを構築が可能です。大幅な機能向上を図りながらもコンパクトなボディーを実現しています。
ハンドル/ブラケット/ロッドクランプ
ハンドル部は前後、いずれの方向にも装着可能とし、グリップの位置や各種ユニットの取り付け自由度を拡大。また、六角穴付きボルト3点固定のブラケットを介して装着する方式を採用し、高い取り付け強度を実現。ハンドルホールド撮影における、がたつきや抜け落ちなどのトラブルを軽減しています。ブラケット、ハンドルいずれにもφ15mmのロッドクランプ(別売)を装着可能です。
新構造NDフィルター
回転式ターレット(円盤)2枚方式を新たに採用した電動式NDユニットを内蔵。シンプルな構造で壊れにくく、空窓を利用してすべてのガラス面をクリーニングできるなどメンテナンス性にも優れます。通常は2/4/6 STOP、さらに拡張モードでは8/10 STOPの設定が可能です。
ボタンレイアウト/アサインボタン
豊富な機能をよりダイレクトに使用できるよう、操作部財をレイアウト。主要なボタンは、暗い撮影環境でも視認しやすい照光式です。さらに、アサインボタンをカメラ本体、パネル、グリップ計22ヶ所に配置しました。[MENU]を押しながらアサインボタンを押すと、そのボタンの設定画面を表示。設定状態の確認とカスタマイズが容易です。
高精細・高輝度・広色域対応モニターユニット
4インチモニターユニットの視認性と使い勝手を向上。色再現のよい高演色LEDの採用とLED灯数増により、EOS C300比でNTSC色域カバー率を25%、輝度を約1.8倍に向上させました。さらに、ケーブルは着脱式とした上で、AUDIOラインと共通化。ケーブルの取り回しの柔軟性が増すほか、同じ予備ケーブルでVIDEOとAUDIOの両ラインに対応でき、効率的です。
有機ELパネル採用ビューファインダー
ビューファインダーはWSVGA、約177万ドット(1024×RGB×576)。高精細な表示です。また、色再現性、コントラスト、応答性に優れた有機ELパネルを採用。撮影結果がつかみやすく、動きのある被写体やカメラワークにも対応します。上方約60°※のチルト式です。
OSD外周表示
各種情報を映像にオーバーレイ表示するか、映像の外周に表示するか選択可能としました。
Wi-Fi Remote
タブレット端末などを介した遠隔操作が可能です。両手での操作を前提として、操作エリアを両側に配置した新しいユーザーインターフェースを採用。さらに複数端末で2台同時にライブビュー表示することができ、制作スタッフやクライアントとプレビュー画面をリアルタイムで共有することができます。
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リモートコントローラーRC-V100対応
画質調整など主要な操作を離れた位置から設定できる、多機能リモートコントローラーに対応。クレーン撮影など遠隔操作時に活用できます。
マイクロフォンアダプター
XLRユニットを独立させることにより、装着の有無や取り付け方法を自由に選択可能としました。2ヵ所のアクセサリーシューを使用してカメラ本体やハンドルユニットに装着。XLR端子×2とCanon端子×1、マイクホルダーを備えます。
マウント交換対応
EOS C300 Mark IIはEFマウントを採用。EFマウント(ロック付き)やPLマウントへの交換も可能です(有償)。
堅牢性
放熱と剛性を追求した機能的フレーム
放熱性と寸法精度に優れたアルミダイキャストを主要なフレームに採用。熱拡散の効率を高めるとともに、筐体の剛性アップも果たしました。
防塵・防滴構造
開閉カバーの合わせ目にシーリング部材、ダイヤル回転軸にOリングを配置。さらにボタン下にラバーブーツを用意し、異物の浸入を抑えます。
高効率冷却システム
長時間の撮影時も安定して動作するよう、熱対策を徹底しました。主要な熱源であるメイン基盤と電源基盤は、2個のファンで強制的に冷却。撮像素子やカード、バッテリーまわりも放熱性に優れた構造としています。